なぜ、引きこもりはゲームに没頭するのか?

「ゲームをしたくて引きこもっているに違いない」

そう、思ってはいませんか?
実はその認識は大抵の場合間違っています。

僕自身引きこもってゲームに没頭した時期がありました。
なぜかテトリスを永遠にやっていました(笑)

だからこそ、よくわかります。
ゲームをしたくて引きこもっているんじゃない。
引きこもっているから必然的にゲームをするんだと。

今回は、なぜ引きこもりはゲームに没頭するのかを
元引きこもりカウンセラーの犬太が解説します。

 

そもそも、最近のゲームってどうなってるの?

今、引きこもりで悩んでいる親御さん世代は
ゲームといったら何を思い浮かべますか?

僕が小さい頃は64とかだったんですが
それよりも、もっと前のことが多いでしょうね。

ファミコンが1983年に発売されたので
もしかすると、ゲームといったらファミコンという印象を
持っている人も多いかもしれませんね。

 

最近のゲーム事情を犬太なりに解説

最近のゲームはネットで繋がることが前提として作られています。

昔であれば、友達の家に集まって
コントローラーの取り合いをしながら遊んでいました。
しかし、今となっては家にいながら、
世界中の人とゲームをプレイすることができるようになっています。

さらに、無料で提供されている物も多く、
お金がなくても楽しむことができるようになっているので
以前よりも、気軽に手に取ることができるようになっています。

しかし、引きこもって他人との直接的な関りを断った状態で
人は正気でいられるのでしょうか?

 

本来、人は孤独を嫌う生き物

もともと、人間は集団生活を前提とした社会を形成していました。

それは、僕たちの祖先がまだ石を投げたり粗末な槍を使って
狩りをしていた時からです。

人は個人では力を満足に発揮できないものの、
集団となることで他の生物を圧倒してきました。

そのため、僕たちは遺伝子レベルで
孤独を拒絶する仕組みが出来上がっています。

 

【驚愕!】孤独はタバコを吸うよりも体に悪い

ブリガムヤング大学が過去に行われた
「孤独が健康に及ぼす影響」に関する研究から
なんと31万人分の記録をまとめて人間の寿命を延ばす効果が
高いものを選りすぐりました。

そして、ありきたりな結果かもしれませんが
「良好な人間関係」という要素がずば抜けて高く
孤独を感じていた人に友達ができると
最大で15年寿命が延びるというケースも確認できたそうです。

つまり、裏を返せば
孤独を感じ続けるほど寿命が減るとも解釈できます。

この実験では、禁煙するよりも良好な人間関係を形成する方が
健康には良いという話が出てきます。
ということは、タバコを吸うよりも
孤独を感じ続ける方が体にとっては害である可能性が高いです。

 

世捨て人ですら他者の存在が必要

こんな話を聞いたことがあります。

とある村の住人が世捨て人になろうと決意をして
村はずれの山に住み始めたそうな。

しばらくして、その村は村ごと別の土地に移住することになり
村人全員が遠くへ引っ越しました。

その時、あの世捨て人はどうしたと思いますか?

なんと、村人たちの引っ越し先の村はずれの
山に移住したんです。

つまり、世捨て人は村人たちが近くにいたから
世捨て人になれたんです。

世捨て人ですら、他者の存在を認識していないと嫌なんです。

 

戦時中個別に隔離されていた捕虜が気が狂わずに過ごせたワケ

戦時中は、たくさんの人が捕虜となりました。
粗末な扱いを受けたことでしょう。

こんな話があります。

ある捕虜収容所では捕虜同士の交流を一切認めず
一人ひとり隔離していました。

すると、人との交流を断たれた捕虜たちは
だんだん正気を失っていきました。

しかし、あることをした捕虜たちは気が狂わずに済んだんです。

その、あることとは、
壁を叩いて交信をしていたんです。

恐らくモールス信号だと思うんですが、
そうやって交信を重ねることで
コミュニケーションを取っていました。

その甲斐あって、精神がおかしくならずに済んだんです。

 

ゲームの進化によって孤独感が薄まった

先述した通り、人間は本来孤独を感じると
とてつもないストレスを感じるようにできているので
孤独感をずっと感じ続けることは難しいです。

しかし、現代ではネットが普及しており
世界中の人とコミュニケーションが取れます。

つまり、ゲームが進化したことにより
孤独感が薄まっていると言えます。

だったら、
「ネットを使って何かビジネスでも始めたら良いのでは?」
という疑問が出てくるかと思います。

この疑問を解き明かすことで
なぜ、ゲームに没頭するのかが見えてきます。

 

ゲームに没頭する理由は4つ!「WNGF」にあった!

まずは没頭する理由としてゲーム自体の
魅力を紹介します。

いきなり、「WNGF」と言われてもピンとこないと思います。
この4文字はゲームを面白くする
4つのポイントの頭文字を取っています。

それでは、ひとつずつ見て行きましょう。

 

・勝てること【Winnable】

ゲームは基本的には勝てるように作られています。
クリアできないゲームは面白くないですからね。

・奇抜な課題【Novel】

ゲームは進めば進むほどに
新しい課題に直面するようにできている。

スーパーマリオもずっと同じステージでは
飽きてしまいますよね。

常に新鮮味を持たせるために
ゲームは次々と奇抜な課題を提示するようにできています。

・目標【Goals】

どんなゲームでも大抵の場合は
明確な目標が提示されています。

マリオであればピーチ姫の救出。
シューティングゲームなら敵の殲滅といった具合です。

プレイヤーは目標を達成するために躍起になり
目標を達成することで快感を得られます。

・フィードバック【Feedback】

最後はフィードバックです。

要はやればやるほどレベルが上がったり
新しいアイテムが手に入ったり
スキルを覚えられたりします。

そういった、報酬などが
目の前でわかりやすく提示されることも没頭する要因です。

しかしこれらはゲーム自体が持っている要因に過ぎません。

 

 

ゲームに没頭するのはゲームだけが要因ではない

先ほどの章の最後に
「ゲーム自体が持っている」という部分を強調しました。

なぜかというと、
ゲームは魅力的ですが
引きこもってまでするものではないからです。

仕事が終わってからゲームをプレイする人も多いでしょう。

では、なぜ引きこもりはそこまでしてゲームに没頭するのでしょうか?
それは引きこもりならではの理由が原因で起こっています。

 

引きこもりの心理を考察することでゲーム依存の理由がわかる

引きこもりの心理については以前紹介しているので
そちらの記事を参考になさってください。

引きこもりの親御さん必読!引きこもりの心理とその解決法をカウンセラーが解説!

 

上記の記事にも書いてあるのですが
引きこもりは、基本的に自己嫌悪の感情が強いです。

家にずっといると
途方もない自己嫌悪に陥り
何もしなければ気が狂いそうになるんです。

そこで、ゲームの登場です!

 

フロー状態になることで気が楽になる。

心理学用語で「フロー」という状態になれると
目の前のことに超集中できます。

みなさんもこんな経験はありませんか?
夢中になっていたら、時間を忘れてしまっていたことや
もしくは、スポーツでフロー状態になったのであれば
痛めていた足の痛みを一時的に忘れることもできます。

その状態にゲームをしているとなれるんです。
ゲームに没頭することで
自己嫌悪の気持ちを感じずに済むので
一種の現実逃避としてゲームをプレイしています。

 

現代のゲームは、さらに貢献感も得られる!

アドラー心理学では人は「貢献感」を感じた時に
幸福を感じるとしています。

誰かの役に立てたと感じられることで

「自分はここにいても良い」
「存在していても良い」
「感謝されて嬉しい」

といった気持ちになれます。

よく小さい子供が、
お母さんの役に立とうと思って
お皿を運んだり、洗濯物を手伝ったりすることがありますよね。
(失敗することもよくありますが笑)

それも、誰かに貢献することで
幸福感を得られるからしていることです。

さて、最近のゲームは世界中の人とプレイができると紹介しました。
そして、協力プレイなども、もちろんできます。

つまり、ゲームの世界で「貢献感」を感じることができるので
さらに、ゲームに没頭するという結果になります。

 

では、どうしたらいいのか?

ゲームを辞めさせるのは逆効果

ここまで読んでいただいたのであれば
ゲームを辞めさせるとどうなるか、
ある程度想像がつくのではないでしょうか?

自己嫌悪の気持ちを感じたくないから
ゲームをしているわけですよね。

つまり、ゲームが無くなれば
自己嫌悪をする時間が長くなり
家庭内暴力や自傷行為などに発展する確率がグンと上がります。

ですので、ゲームを辞めさせるという考えは
持たないほうが賢明です。

 

ゲームの世界以外で「貢献感」を感じてもらう

「貢献感」が幸福感を生むという話をしましたよね。
そして、ゲームに没頭している時は
ゲームで貢献感を感じています。

ということは、
ゲーム以外で貢献感を感じられれば良いわけです。

貢献感を感じてもらう方法は主に以下の言葉を言われた時です。

  • ありがとう
  • 助かったよ
  • 嬉しいよ

親御さん目線で言えば、

「生きていてくれて、ありがとう(嬉しい)」
「家にいてくれて助かる」

など、存在しているだけで
役に立っているということを伝えます。

そうすることで、
引きこもりは自分は居ても良い存在なんだと
感じることができるようになり
自己嫌悪が軽くなっていきます。

ゲームを辞めさせたいのであれば
まずは自己嫌悪を
どうにかする必要があるということです。

 

今回のまとめ

今回の記事で、ゲームをしたいから引きこもっている
という考え方は無くなったかと思います。

まずは、自己嫌悪をしてしまう気持ちを理解してあげてください。
自己嫌悪が無くなっていけば
自然とゲーム以外のものに興味が湧いてきます。

それでは今回の要点をまとめておきます。

  1. 最近のゲームはネットでつながることで孤独感を感じにくくなっている
  2. ゲーム自体に没頭する要素が盛り沢山
  3. さらにゲームの世界で「貢献感」すら得られる
  4. ゲームを辞めさせるのは逆効果
  5. ゲームの世界以外で「貢献感」を感じてもらうことが大切

僕自身も、ゲームを朝までやっていました。
日中は寝て過ごすことが多かったです。

しかし、今ではほとんどゲームをしません。
ゲームよりも、こうやって誰かの役に立つ情報を伝えたり
カウンセリングで悩んでいる人の心を支えることに
僕なりに貢献感を感じているからです。

このようにして、ゲームを
ほぼやらなくなるという場合もあります。

しかし、時間はかかります。
それは覚悟しておいてください。
少しずつ、歩みを進めて行きましょう。

どうしても解決が難しい場合は
一度ご相談ください。

犬太のカウンセリングを受ける

それでは、また次回お会いしましょう!

 

参考書籍

今回参考にした書籍のリンクを張っておきます。
ご興味のある方はご一読ください。


残酷すぎる成功法則 9割まちがえる「その常識」を科学する [ エリック・バーカー ]

 


嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え